top of page

JSCによる1月27日の明治公園封鎖に関する緊急声明

※2/1緊急声明のビラ画像を追加しました。クリックで拡大します。

2016年1月28日

日本スポーツ振興センター理事長 大 東 和 美 様

JSCによる1月27日の明治公園封鎖に関する緊急声明

 1月27日早朝7時20分、日本スポーツ振興センター(JSC)の職員・新国立競技場設置本部運営調整役高崎義孝氏ほか約8名が、大量の警察官及び警備員を引き連れ明治公園の3ヶ所の出入り口(外苑第二球場前、四季の庭からの迂回路(外苑西通り)、明治公園霞岳広場[南東]日本青年館脇歩道)の封鎖を強行しました。さらに霞岳広場にある公衆便所および園内の水道と電気を止めるという暴挙に出ました。3ヶ所の出入り口には27日現在、単管と金網でゲートが設置され24時間体制で警備員が通行を不当に制限している状態です。  明治公園内には数名の野宿生活者が暮らしています。JSCはこれまで明治公園住人に「住んでいる人がいる間は生活に影響のある工事はしない」「工事をする場合はその内容について事前に説明をする」「話し合いで解決する「強制排除はしない」と約束してきました。しかし1月27日東京都が都立公園としての明治公園を「廃止」し、新国立競技場敷地としてJSCへの無償貸付を決定し管理権を移譲した、その一点のみを理由に、生活通路を塞ぎ最低限必要なライフラインを絶つといった暴挙を行ないました。野宿者の居住区と公衆便所を行き来する通路に、あろうことかクレーン車で単管を組んだ鉄柵を吊り下げ、抗議する住人と応援有志の頭上をかすめるように設置しようとするなど、信じ難い光景が繰り広げられました。満身の抗議によりこの通路を分断する柵の設置は中止したものの、多くの監視の目がなければこのように物理的に野宿者をライフラインから分断し閉じ込めるような工事が強行されていたはずです。また、応援に集まった人々を、警備員及び民事不介入を原則とするはずの警察官が、ゲートから暴力的に追い出し、危険な状態を招きました。そして野宿者住人の生活、生存に支障を及ぼすこれらの工事について多少なりとも説明を求める住人と応援する有志に対し、高崎氏は一切の無視を貫き、退去要請を繰り返しました。事態を知った国会議員やジャーナリストが駆けつけるその直前まで国家権力をかさにきた住人への威圧行為が続けられました。  JSCが野宿当事者との話し合いを拒否し、その意志に反して退去要請を行うことは、国際人権規約「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約にある(1)高度の正当化事由(2)真当な協議等の適正手続(3)適切な代替住居の提供という3要件を欠く強制立退きの禁止に反する重大な人権侵害です。なによりも当人の意志を踏みにじりその生存権を侵しています。明治公園に暮らす住人たちは、2013年の東京オリンピック決定以降、新国立競技場関連工事を理由に、東京都によってそれ以前にはなかった不当な退去圧力、二度の園内移転をも強いられてきました。その東京都ですら事実上公園で暮らすことを認めてきたのです。

 JSC高崎氏は、新国立競技場基本計画が明らかになった2014年春の時点で現地住人に「新国立着工までみなさんの生活に影響はない」と説明していました。当の新国立競技場計画そのものが白紙撤回、計画変更し、着工時期が2017年1月と1年先に変更になり、かつ新国立計画をめぐって前案の盗用疑惑が発覚し再度の計画変更もありうる以上、明治公園取り壊し工事のみを先行して行う必然性はありません。野宿当事者との話し合いをする時間も十分に残されているはずです。なによりも、オリンピックに間に合わせるという自己都合を優先し、いま現在住んでいる野宿生活者の生存を脅かすような工事を強行することはいかなる理屈に照らしても認められません。

 JSCは住人と応援する有志の粘り強い抗議によって午後2時20分の時点で「本日の工事は終了します」と宣言し、引き下がりましたが、1月28日以降も、明治公園=新国立競技場敷地「確保」のための完全封鎖、公衆便所など「工作物の撤去」、樹木伐採など、明治公園取り壊し工事を強行する構えを崩していません。しかし27日時点で、受注業者は明らかにされず、工事工程表など工事着工に必要な掲示も一切なされていない以上、これらはすべて違反工事とみなします。よって、野宿者追い出しを目的にした嫌がらせ行為であると判断せざるをえません。野宿者排除が目的である以上、私たちはこれらの工事を進めさせるわけにはいきません。  よって、JSCに対し、以下4点を緊急に申し入れます。

(1) 明治公園に長く暮らしてきた野宿生活者・応援する有志との話し合いを即刻再開すること。 (2) 話し合いによる解決がなされるまで、明治公園取り壊し工事は停止すること。 (3) 知人、支援者、近隣野宿生活者を含めた、通行禁止、公衆便所・水場の使用停止など、生存権 を脅かすライフライン破壊をいますぐ止めること。

(4) 台車や自転車の通行の妨げとなる、27日に設置した工作物を即刻撤去すること。

明治公園住人/国立競技場周辺で暮らす野宿生活者を応援する有志


Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
まだタグはありません。
bottom of page